BGR(Band Gap Reference)(5)

BGR(Band Gap Reference)(5)

前回はとトランジスタのオフセット電圧が引き起こす問題について紹介しました。 今日は、その対策について触れたいと思います。 オフセット電圧のためループが誤った動作点に収束し、BGR電圧が起動できなくなることを防止するためには、スタートアップ回路が必要になります。 スタートアップ回路はBGR電圧(VBGR)を監視していて、電圧が低いと(つまり、起動できていないと)何らかの方法で、ループが誤った動作点に […]

BGR (Band Gap Reference) (4)

BGR (Band Gap Reference) (4)

今日はとトランジスタのオフセットが引き起こす問題について紹介したいと思います。 物を作るときには必ず製造上のバラツキが発生します。 (コピーすれば同じものが2つ出来ますが、これはデジタル化しているから同じといえるのであって、この世にまったく同じものはないと思っています) バラツキは回路の特性を大きく変えますが、差動増幅器で特に気をつけないといけないのは入力段トランジスタに発生する“相対バラツキ”で […]

システムLSI(SoC) の直面するクライシス

システムLSI(SoC) の直面するクライシス

3つの技術クライシス システムLSI(SoC)に搭載するトランジスタの集積度を上げる(トランジスタを小さくし、たくさん並べる)ほどLSIの演算性能は上がるのですが、同時に「電力」「複雑さ」「配線」の3つの主要な技術的課題に直面します。各クライシスに対する原因、課題、対策について簡単にまとめました。 電力クライシス 電力クライシスとは消費電力と性能のバランスの問題です。システムLSIのトランジスタを […]

スケーリング則/ムーアの法則

スケーリング則/ムーアの法則

システムLSI(SoC: System on a Chip)は、約3年ごとに0.7倍のペースで微細化が進んでいます。この微細化のトレンドのことは、スケーリング則やムーアの法則、またはデナードの法則とも呼ばれています。 スケーリング則では0.7倍のスケールダウンにより単位面積あたりの集積密度が2倍になり、同一電圧で1.7倍高速化し、消費電力が半分になる性能向上が図られます。スケーリング則と素子構造お […]

BGR (Band Gap Reference) (3)

BGR (Band Gap Reference) (3)

BGR(2) からの続きです。今日はBGR(Band Gap Reference)をその周辺回路も含めて紹介します。図1にBGR回路の基準部とアンプ部を示します。 基準部は前回のBLOGで使ったものと同じで、アンプ部はVaとVbが等しくなるようにVBGRを制御します。 BGRの基準部の電位V1,Vbが約0.8VでGNDに近いので、電流源のスペースを確保しやすいPchを入力段を使うことが多いです。 […]

BGR (Band Gap Reference) (2)

BGR (Band Gap Reference) (2)

今日は引き続きBGR(Band Gap Reference)を紹介したいと思います。 図1は前回のBGRの基本部分に抵抗R1,R2を追加したものです。VBGR電圧を変化させると、右のグラフのようにVa,Vbが動きます。前回はVa,Vbに電流源を印加しましたが、今回は簡易的に抵抗を使いました。 右のグラフのVaとVbが等しくなるようにVBGRを制御します。 制御には電圧制御電流源G0を使います。(電 […]

BGR(Band Gap Reference) (1)

BGR(Band Gap Reference) (1)

今日は電源などに広く使われているBGR(Band Gap Reference)について今回は触れてみたいと思います。 Band Gapと言われても、Bandとは? 何と何のGap?などの疑問が出てきますが、その辺りの歴史は良く知りません。ただ、Referenceと言うことから”基準“であることに間違いはないです。 基準電圧を作るには電源電圧を使う(抵抗で分圧して欲しい電圧を作る)のが一番簡単なので […]

2024年度 お花見

2024年度 お花見

去年に引き続いて新入社員・中途入社社員の歓迎を兼ね、4/5に会社の近くでお花見を開催しました! 当日は雨もぱらつきましたが、交代で場所取りをする我々の熱意に負けたのか、いつの間にか雨雲もどこかへ吹き飛んでしまったようです。 こうして満開の桜が私たちを出迎えてくれました。 花冷えで風邪ひかないようにと、社長が石油ストーブを持ってきてくださいました。米パーフェクション社のアンティークだそうで、暖炉のよ […]

システムLSIの低消費電力化技術(6)  

システムLSIの低消費電力化技術(6)  

昨今はチャージリサイクリングによる低消費電力化の研究が活発です。その1つを今日はお話します。 チャージリサイクリングでViを下げる 以前の記事で解説した数式を1つ思い出していただきたいのですが、CMOSLSIの消費電力の算出で、Pcは(1)「C・Vi・Ve・f」もしくは(2)「C・Ve2・f」で表されます、と申し上げました。このうちViを、「チャージリサイクリング」と呼ばれる低消費電力化を図る技術 […]

システムLSIの低消費電力化技術(5)

システムLSIの低消費電力化技術(5)

今日はアルゴリズムの工夫による低消費電力化についてです。 動画処理の世界では、動画をフレームで記録する際に、データ線の遷移確率を減らすデータ表現等が次々に発表されていきました。今日は私が以前映像録画機器で用いた事例として「符号付き絶対値表現」を用いた低消費電力化手法を紹介いたします。 ビデオ信号のフレーム差分データ処理 記録中の映像フレームで、絵の一部が動いたか、そうではないか、をLSIで検出処理 […]