システムLSIのブレイクスルー技術③ 動的電圧周波数スケーリング(DVFS)(3)

システムLSIのブレイクスルー技術③ 動的電圧周波数スケーリング(DVFS)(3)

こんにちは。今日は、DVFSの元となった、動的電圧スケーリング(DVS)開発の背景をお伝えします。 動的電圧スケーリング(DVS)とは? 近年マーケットからLSIの低消費電力化が強く求められていく時代でありながら、従来SoCのSPECで規定されていた設計補償動作電圧では、本来欲しい動作電圧に比べて大きなマージンを含んだ電圧が必要となり、それが低消費電力化の障害となっていました。 そこでDVSが登場 […]

UVをセンサで計測してみよう!⑦ ~外で実際に動作を確認してみよう ~実験編

UVをセンサで計測してみよう!⑦ ~外で実際に動作を確認してみよう ~実験編

なかなか実験の日程の調整ができず、実験日は2024/9/26(木)。夏?のぎりぎりになってしまいました。 作成したUVセンサを傘につけ実験 気象庁の計測値でみると、こんな感じです。 12時から20分ほど、会社近くの日産スタジアムに行くまでの見晴らしがよいところで実験しました。 ただ当日は晴れではあったのですが、太陽の周辺に雲がありまた風もあったのでなかなか同環境での実験ができませんでした。秋晴れ! […]

UVをセンサで計測してみよう!⑥ ~外で実際に動作を確認してみよう ~準備編Ⅲ

UVをセンサで計測してみよう!⑥ ~外で実際に動作を確認してみよう ~準備編Ⅲ

組み立てたLeafonyをケースに入れよう 組み立てたLeafonyを目立たないようケースに入れて外で実験できるようにしたいと思います。ケースに入れなくても実験はできますが、都会は人の目も多いですし、持ち歩いて怪しまれないように。 さて、普段の業務だとケースというと”タカチケース”を購入して加工しているのですが、  「今回はスピード重視で簡単に加工できる」  「失敗してもすぐやり直せる」 をテーマ […]

システムLSIのブレイクスルー技術② 動的電圧周波数スケーリング(DVFS)(2)

システムLSIのブレイクスルー技術② 動的電圧周波数スケーリング(DVFS)(2)

こんにちは。今日はDVFS機能搭載プロセッサとDVFSの動作原理についてお伝えします。 DVFS機能搭載プロセッサのブロック図 まず、DVFS機能搭載プロセッサについてです。図1に弊社が電源ICで用いているDVFS機能搭載プロセッサのブロック図を事例として示します。 CPU内にクロック周波数/電源テーブルが配置され、負荷の大きさに対応するクロック周波数及び電源電圧Vddの指示情報をテーブルから出力 […]

システムLSIのブレイクスルー技術① 動的電圧周波数スケーリング(DVFS)(1)

システムLSIのブレイクスルー技術① 動的電圧周波数スケーリング(DVFS)(1)

久々にシステムLSI記事を更新します。今回は動的電圧周波数スケーリング(DVFS)の概要についてお伝えします。 DVFSとは 動的電圧周波数スケーリング(Dynamic Voltage and Frequency Scaling, DVFS)は、プロセッサの処理量(負荷)の大小に応じて、電源電圧およびクロック周波数を動的(適応的)に切り替える技術です。これにより、必要な性能を維持しつつ、消費電力を […]

システムLSI(SoC) の直面するクライシス

システムLSI(SoC) の直面するクライシス

3つの技術クライシス システムLSI(SoC)に搭載するトランジスタの集積度を上げる(トランジスタを小さくし、たくさん並べる)ほどLSIの演算性能は上がるのですが、同時に「電力」「複雑さ」「配線」の3つの主要な技術的課題に直面します。各クライシスに対する原因、課題、対策について簡単にまとめました。 電力クライシス 電力クライシスとは消費電力と性能のバランスの問題です。システムLSIのトランジスタを […]

スケーリング則/ムーアの法則

スケーリング則/ムーアの法則

システムLSI(SoC: System on a Chip)は、約3年ごとに0.7倍のペースで微細化が進んでいます。この微細化のトレンドのことは、スケーリング則やムーアの法則、またはデナードの法則とも呼ばれています。 スケーリング則では0.7倍のスケールダウンにより単位面積あたりの集積密度が2倍になり、同一電圧で1.7倍高速化し、消費電力が半分になる性能向上が図られます。スケーリング則と素子構造お […]

システムLSIの低消費電力化技術(6)  

システムLSIの低消費電力化技術(6)  

昨今はチャージリサイクリングによる低消費電力化の研究が活発です。その1つを今日はお話します。 チャージリサイクリングでViを下げる 以前の記事で解説した数式を1つ思い出していただきたいのですが、CMOSLSIの消費電力の算出で、Pcは(1)「C・Vi・Ve・f」もしくは(2)「C・Ve2・f」で表されます、と申し上げました。このうちViを、「チャージリサイクリング」と呼ばれる低消費電力化を図る技術 […]

システムLSIの低消費電力化技術(5)

システムLSIの低消費電力化技術(5)

今日はアルゴリズムの工夫による低消費電力化についてです。 動画処理の世界では、動画をフレームで記録する際に、データ線の遷移確率を減らすデータ表現等が次々に発表されていきました。今日は私が以前映像録画機器で用いた事例として「符号付き絶対値表現」を用いた低消費電力化手法を紹介いたします。 ビデオ信号のフレーム差分データ処理 記録中の映像フレームで、絵の一部が動いたか、そうではないか、をLSIで検出処理 […]

システムLSIの低消費電力化技術(4)

システムLSIの低消費電力化技術(4)

今日は、アーキテクチャの工夫による低消費電力化の方法です。 アーキテクチャの工夫による低消費電力化の方法として、並列処理、パイプライン処理が従来よりある処理技術として有名です。 並列処理 そのうちの1つ、並列処理の概略図を(図14)に示します。例えば、ある演算器を2つ並列に配置します。この配置ですと演算機1つの場合と比較して、同一スループットに対して演算サイクルタイムを2倍に広げる事ができます。と […]