システムLSIの低消費電力化技術(1)

システムLSIの低消費電力化技術(1)

こんにちは。今日はCMOS LSIの性能を上げつつ低消費電力化を実現する技術の1つをご紹介します。 前の記事「CMOS LSIの消費電力と動作周波数」をご覧になる方はこちら 低しきい値MOS技術とは 低電源電圧領域におけるCMOS LSIの高速動作の最大のポイントはVthです。Vthを低くできれば高速化を図れるはずですが、実際はサブスレッシュホールド・リーク電流という別の問題によって効果は制限され […]

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(3)

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(3)

CMOS LSIについての3回目です。 今日はLSIのデザインルール微細化に伴う低電源電圧化についてお話します。 CMOSLSIの低消費電力化のためには、電源電圧Veの低減が最も有効であることは、前回記事でもお話した通りですが、最大動作周波数FmaxがVeに依存しているので、最大周波数も低下してしまうという問題がございます。これはどう解決したらよいのでしょうか。 デザインルール微細化に伴う低電源電 […]

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(2)

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(2)

CMOS LSIの続きとなります。 FmaxのVe依存について 前回の最後に最大動作周波数について式(3)を導きました。 MOSトランジスタの飽和領域の特性について、RoはMOSトランジスタのダイナミック・オン抵抗(非飽和領域)、Gmは相互コンダクタンスで(飽和領域)で、この2つは下のような関係にあります。 下の図3にMOSトランジスタの飽和領域の特性を示します。 この図3から、Gm(飽和領域)を […]

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(1)

CMOS LSIの消費電力と動作周波数(1)

CMOS LSIの強み LSI(大規模集積回路)はCPUやメモリ、各種デジタル回路など、幅広いアプリケーションで使用されており、現代のエレクトロクス製品になくてはならない技術です。 LSIに搭載するトランジスタを小さくたくさん並べ集積度をあげるほどLSIの演算性能は上がるのですが、様々な課題が発生します。LSIの動作周波数を上げればトランジスタの処理速度は上がりますが、消費電力も上がります。トラン […]

PLL(5)

PLL(5)

だいぶ時間が空いてしまいましたが、PLLのその5を書きたいと思います。 ビヘイビアモデルをつかう 応答速度とジッタの量の関係を確認する 今回は、ビヘイビアモデルを使って応答速度とジッタの量の関係を確認してみたいと思います。 図 1にビヘイビアモデルを使ってPLL全体の回路を示します。(PLLその2-PLLその3で使って物を同じです) まずはノイズ源ですが・・・VCOの制御電圧に意図的に雑音源を入れ […]

反射 (4)

反射 (4)

あふぁえ

反射 (2)

反射 (2)

今回も“反射”について話をしてみたいと思います。 終端抵抗についてのこれまでの認識 終端抵抗をOpenにしても波形のひずみが出ないことに驚きました。もちろん終端抵抗が特性インピーダンスと整合していないので、思いっきり反射はするのですが、終端抵抗の両端、つまりVoutの波形は歪んでいません。 今までの理解は「終端抵抗で最初の反射が発生するので、この箇所の整合は一番重要でここさえ抑えておけば、後は少し […]

反射 (1)

反射 (1)

今回は“反射”について話してみたいと思います。 このネタは<インピーダンスマッチング>でもお話しましたが、そのときは感覚的な説明をさせてもらったので、今回は少し技術的に説明をしたいと思います。 インピーダンス整合とは? “インピーダンス整合”とか“インピーダンスマッチング”と言う単語は高周波回路を設計した人なら一度は聞いたことがあると思います。整合とは“整い合う”なので、どことどこのインピーダンス […]

ハイルドライバー方式の振動子をツイータに搭載。D-CLUEオリジナル ハイレゾスピーカを展示

ハイルドライバー方式の振動子をツイータに搭載。D-CLUEオリジナル ハイレゾスピーカを展示

今や音楽視聴はデジタルが当たり前という時代ですが、逆にアナログレコードが再ブームで非常に良く売れているという話をよく耳にします。その理由はいろいろあるようですが、1つには、デジタル音源でカットしている超音波領域が再生でき、これが心地よいと思う人が増えたこともあるようです。 これは、近年登場したハイレゾオーディオの特長とも共通します。 今回は、そんなハイレゾ音源が再生でき、当時国産スピーカーでは存在 […]

PLL (4)

僕はPLLの特徴は”時間を扱う”ことだと思っています。 時間を扱うと言う事は・・・リミッタ(制限)が無いとも言えます。電圧や電流なら普通は電源が供給できる範囲を超えた状態にはならないので、上限/下限があります。しかし、時間には上限も下限もありませんし、制限をかけようも無いのです。 なので、周波数差や時間差などの時間を電圧に変換する位相比較器は、なにかタイムマシーンのような特 […]